VOL.1 岩手の森とくらしの未来を考える
全国森林組合連合会代表理事会長 / 中崎和久さん
木々との出会い、
自然が教えてくれたこと
自然が教えてくれたこと
私は学生時代、仲間と山歩きを重ねる中で、自然の魅力と同時に厳しさも味わいました。
登山の途中、急な豪雨で道が川のようになり、必死にしがみついて登ったことがあります。
また、霧に包まれて視界を失い、夕闇に迫られたときは、不安で胸が締めつけられました。
しかし、思い通りにならないことも自然の摂理であり、人が抗えない大きな流れなのだと気づかされました。神々しいほどに光り輝く峰々に圧倒されると、自分もまた循環の中で生かされていると感動し、無音の雪原に身を投げ出すと下界での挫折や悩みが小さく思え、心が洗われました。
自然との距離感は、家業を継ぎ発酵に携わるようになったときにも重なります。
木桶の中で微生物が営む姿を顕微鏡で覗くと、小さな宇宙のように無数の命が調和している。
見えない営みが醤油の味を育てることを知ったとき、このミクロの世界の中にも自然の厳しさと優しさがあり、すべてが恵みに結びついている――その気づきが今の私の歩みを支えています。
登山の途中、急な豪雨で道が川のようになり、必死にしがみついて登ったことがあります。
また、霧に包まれて視界を失い、夕闇に迫られたときは、不安で胸が締めつけられました。
しかし、思い通りにならないことも自然の摂理であり、人が抗えない大きな流れなのだと気づかされました。神々しいほどに光り輝く峰々に圧倒されると、自分もまた循環の中で生かされていると感動し、無音の雪原に身を投げ出すと下界での挫折や悩みが小さく思え、心が洗われました。
自然との距離感は、家業を継ぎ発酵に携わるようになったときにも重なります。
木桶の中で微生物が営む姿を顕微鏡で覗くと、小さな宇宙のように無数の命が調和している。
見えない営みが醤油の味を育てることを知ったとき、このミクロの世界の中にも自然の厳しさと優しさがあり、すべてが恵みに結びついている――その気づきが今の私の歩みを支えています。
木と発酵が紡ぐ伝統と挑戦、
浅沼醤油店が取り組む理由
浅沼醤油店が取り組む理由
私たちが「木々のしずく」に取り組むのは、蔵に受け継がれてきた歴史と自然に根ざした環境の両方に理由があります。
ワインやウイスキーが木樽の中でゆっくり熟成されるように、私たちの蔵にも百年を超える木桶が息づき、今も醤油の味を支えています。
木が呼吸し、微生物と共生し、香りを与えることで、発酵は力を得て、深みのある味わいが育まれてきました。
木は、私たちの味づくりに欠かせない存在なのです。
さらに岩手は、多様な広葉樹に恵まれた土地。寒暖差や地形によって樹種ごとの個性が際立ちます。先人たちはその特性を醸造用具に活かし、櫂棒にはヒバやヒノキを、木梯子には杉やアカマツを選んできました。
自然がもたらす違いを尊ぶことは、地域の豊かさを見直すことでもあります。身近に広がる多様な資源――
「木」と発酵の知恵を重ね合わせ、新たな食文化を創り出すこと。それこそが未来に受け継ぎた>い挑戦であり、私たちの使命です。
株式会社浅沼醤油店
四代目 浅沼宏一
ワインやウイスキーが木樽の中でゆっくり熟成されるように、私たちの蔵にも百年を超える木桶が息づき、今も醤油の味を支えています。
木が呼吸し、微生物と共生し、香りを与えることで、発酵は力を得て、深みのある味わいが育まれてきました。
木は、私たちの味づくりに欠かせない存在なのです。
さらに岩手は、多様な広葉樹に恵まれた土地。寒暖差や地形によって樹種ごとの個性が際立ちます。先人たちはその特性を醸造用具に活かし、櫂棒にはヒバやヒノキを、木梯子には杉やアカマツを選んできました。
自然がもたらす違いを尊ぶことは、地域の豊かさを見直すことでもあります。身近に広がる多様な資源――
「木」と発酵の知恵を重ね合わせ、新たな食文化を創り出すこと。それこそが未来に受け継ぎた>い挑戦であり、私たちの使命です。
株式会社浅沼醤油店
四代目 浅沼宏一
私たちが大切にしている地域社会への貢献活動
豊かな森を未来へ
「木々のしずく」は、地域で育った木材を活用して生まれた商品です。どこで育った木なのか、どのように使われているのかを知ることは、森を身近に感じる第一歩になります。木を使い、価値を見出し、次の世代へつないでいくことが、森林を守り育てる力になります。私たちは、ものづくりを通して森と人との良い循環を生み出し、地域の自然が未来へ続いていく選択を重ねていきたいと考えています。
木と発酵を次世代へ
木桶や森の恵みが育む発酵文化。その魅力を子どもたちに伝えることも、私たちの大切な役割だと考えています。中学生の生涯学習の時間に工場を開放し、自然と食のつながりを学ぶ場をともに作っています。「木々のしずく」は、商品を通じてだけでなく、人から人へ、世代を超えて伝わっていく物語です。